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小平奈緒に欠けていた少しの“自信”
金メダルは「500でチャンスある」

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「完全に私は強いのか」信じ切れず

1000メートルで銀メダルを獲得した小平だったが、オランダ勢との差は“自信”だったか
1000メートルで銀メダルを獲得した小平だったが、オランダ勢との差は“自信”だったか【写真:松尾/アフロスポーツ】

 平昌五輪のスピードスケート女子1000メートルが14日に行われ、小平奈緒(相沢病院)が1分13秒82をマークし、銀メダルを獲得した。高木美帆(日体大助手)も1分13秒98で3位に入り、冬季五輪の日本女子選手としては史上初のダブル表彰台となった。


「結果については、ただ実力が足りなかっただけだと思っています。やっぱり五輪は強い選手が強いんだと、どの競技を見ても感じていましたし、1000メートルに関しては、世界記録は出しましたけど、『完全に私は強いのだろうか』と信じ切れていない部分があったので、その辺が結果として出てしまったなと思います」


 小平はレース後、開口一番で敗因をそう語った。同種目の世界記録保持者として期待されたのは金メダル。しかし、連勝記録を続ける最も得意な500メートルとは違い、1000メートルは昨年11月にワールドカップ(W杯)参戦11年目で初優勝したばかりだ。世界記録を出し、今季のW杯4戦3勝とはいえ、この種目に関しては本人も語るように、ほんのわずかだけ“自信”が足りなかった。


 600メートルまでは44秒55で全体トップのタイムだった。だが、ラスト400メートルは29秒27とややペースを落とし、優勝したヨリン・テルモルス(オランダ/28秒50)や3位の高木(28秒74)に劣った。「信じ切れていない部分」が最後に顔をのぞかせ、あと一歩届かなかった。

圧倒的に優位なインスタート

アウトスタートも結果に影響した
アウトスタートも結果に影響した【写真:松尾/アフロスポーツ】

 このレースに関しては、アウトスタートも結果に影響したと言えるだろう。1000メートルは圧倒的にインスタートが有利とされている。出だしの直線がアウトより長いため、序盤から加速しやすく、疲れてくる終盤のバックストレートでは前にいる選手を内側のカーブから追い抜く形となるからだ。精神的にも追われるより、追う方が優位に立つことが多い。小平を指導する結城匡啓コーチは「1000メートルではインとアウトで種目が違うくらい、滑り方が異なる」とまで言う。今回優勝したテルモルスと3位の高木は共にインスタートだった。


 小平もその影響を認めており、「スタートからコーナーに入るまでの加速の部分が短いのもあって、そこがまだ下手だなと。インスタートであればもっと加速していけたと思います」と振り返る。それに加えて「単にまだスケーティングが下手なのかなというのはあります。スケーティングがうまければ、後半に残る体力も違ってくる」と課題を挙げた。


 もっとも小平自身は、この日の滑りに納得しているようだ。


「アウトスタートの特徴をうまく生かしたレースが今日はできたんじゃないかと感じています。体は動いていたし、練習の感覚も良かったので、これが今の実力かなと思います」


 14日時点で、スピードスケート競技は男女合わせて5種目が終了。金メダルはいずれもオランダ勢が手にした。男女36種目中23個の金メダルを獲得した前回のソチ五輪と同じく、今回もオランダが大会を席巻している。その強さについて、小平は「『一番上を取る』という雰囲気がオランダチームにはある」と分析する。結果を求める貪欲さや勝者のメンタリティーが、大舞台での力を発揮する助けとなっているのだ。

「金メダルを取る方程式に乗っている」

「ゴールの先に見える景色を楽しみに」と小平、500メートルで金メダルを取る方程式はつかんでいる
「ゴールの先に見える景色を楽しみに」と小平、500メートルで金メダルを取る方程式はつかんでいる【写真:松尾/アフロスポーツ】

 しかし、小平の本命はあくまで500メートル。現在は国内外で24連勝中と死角が見当たらない。7日のタイムトライアルでは、参考記録ながら37秒05という五輪記録(37秒28)を上回るタイムをマークした。それでも本人からすれば「すごいタイムではない」というから、本番での記録更新も期待できそうだ。


 小平は今大会、1500メートル、1000メートル、500メートルの3種目にエントリーしている。最初の1500メートルは低地での自己ベストをマークし6位入賞を果たした。そして続く1000メートルでは2位。リンクや会場の雰囲気にも慣れ、「1000メートルで3位以内に入ったことにより、500メートルで金メダルを取る方程式に乗っていると思う」と確かな手応えをつかんでいる。


 500メートルは18日に行われる。中3日となるが、いよいよスイッチを入れていく段階に来た。


「1000メートルでは自分の力を100パーセント出し切れたと思います。ゴールの先まであきらめずに滑ることができましたが、自分のスケートが金メダルではなかったんだと感じます。ただ、まだ500メートルでチャンスがあるので、自分らしいレースとゴールの先に見える景色を楽しみに、しっかりと準備をしていきたいと思っています」


 500メートルに関しては譲るつもりはない。「金メダル」という具体的な目標を口にしており、そこにつながる道もきちんとイメージができているのだろう。オランダにある「一番上を取るという雰囲気」が小平にも漂っている。


(取材・文:大橋護良/スポーツナビ)

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